月刊因数分解

です

佐渡-さいご

Posted on : 2012年5月16日 | Leave a comment

DSC06218佐渡の最終日は雨のテント撤収から始まった。フライシートをひっぱるためのロープを別のテントの袋に入れてしまっていたので、理想的な状態ではない。案の定、風上側のフライシートと本体が接して、内側に水が浸透してきた。しかも、そっちがわの壁面のポケットに、寝袋の収納袋を入れておくという愚行。ああ、濡らさんでええもんを濡らしてしもうた。
さらには、ジョイント式のポールが一箇所抜けないという面倒な事態。素手→5分格闘してもだめ。タオルで拭きとって挑戦→3回挑戦していずれも失敗。濡れるの覚悟で晴天時用の革グローブを着用→抜けた。グローブまで濡れた。
もうひとつ面倒なことに、荷物を積み終わってから気づいた。GPSの電源が入らんのだ。走行中はバイクから電源をとっていて、これが素人配線のためか、ときどき接触不良を起こすのだが、内蔵バッテリーで4時間程度は動くはず。それでも電源が入らんということは、過去にも何度か発生したあれだな、ハングアップだな。こうなると、いちどバッテリーを外さないと再起動してくれないのだが、そのためにはシート下からレンチを取り出さねばならず、荷物を摘んだ直後、雨の中でそれをする気力はない。
ひとまず出発して南下。赤泊のガソリンスタンドで給油しがてら、屋根を借りて荷物を下ろし、レンチを取り出す。一苦労だ。散髪終わっていなかったら焦っただろうな。再起動できたが、これまでにハングアップしたときの例に漏れず、前日の走行ログが失われた。散髪屋の場所はわかっているので、我慢するか。我慢できなくてもどうしようもねえしのう。でもあの田んぼの場所がはっきり思い出せんなあ。記録はともかく、記憶までログに頼りがちなので、困ったものだ。
この日、どうしても行っておきたいのは佐渡金山だけで、ほかにはこれといった目的もないので、この手のやっかいごとも余裕を持って楽しめる。休暇はいつもこうありたいものだ。
ガソリンスタンドのおばちゃんが「コーヒー飲むかね」と声をかけてくださったのでありがたく頂戴する。事務所内は暖房がはいっていたような気がするが、ダンボールに入ったねこが、箱の壁面に空いた穴からいろいろはみ出させていたのは確かな記憶だ。おばちゃんたちから、赤泊航路へのディスリスペクトを聞いたり、たぶん私が行きのフェリーで一緒になった仙台の兄さんが来店したと思われる話をしたり。けっこうな確率に思えるが、やはりバイクでの旅行者が少ないのではないかしらと思いましたよ。
山越えの県道に入って、峠にあるあれを見たり天狗がどうこうというのを見たり。舗装、未舗装問わず、山中の林道の充実ぶりがたまらん島だ。もし迷っても、海に向かえばなんとかなりそうだし、わりと案内標識が多い。
雨とGPS再起動という悪条件がすてきなガソリンスタンドのおかげでかなり救われ、林道で良い気分になり、雨は降っていたが時間にも余裕がある(つうかこの日島を出る必要もなかったんだが)ので、トキの森公園に行っておくことにした。檻の中でも、生のトキを見ておこうじゃあないか。
トキの森公園の駐車場で、5/3が祝日であることを実感した。観光バスやら家族連れやらが多い。雨は、ヘルメットを脱いでもぎりぎり我慢できる程度の強さで降り続く。雨風構わずバイクに乗っていたころは、降りたときのことも考えて、防水の帽子を携帯していたものだが、そんな準備はすっかり失念していた。動くトキがいた。繁殖期で黒っぽい羽が増えていたが、たしかに朱鷺色の羽はうつくしいものですね。
飯をどうするか迷いながら佐渡金山に向かう。途中で雨が上がり、青空も見えてきた。飯食わぬまま金山の中を見物。坑道内もそれはよかったが、資料や機材、廃屋の類がたまらん。あとは世界的にはにわか仮面がどのように分布しているのか知りたくなりましたね。金粉入りソフトクリーム食った。
それほど急がず両津港に向かったら、ちょうどフェリーが出稿する直前で、「乗るのか乗らねえのか」と言われ、思わず「乗る」と言ってしまった。めし、温泉、マンホールの蓋(旧行政ごとに違う模様のふたがあるっぽいぞ)など、いろいろやり残したことがあったんだがのう。
船中で佐渡バーガーというやつを食い、下船したらまた雨で、宿を探そうかと思ったが翌日も終日雨の予報だったので帰る決意を固める。みかづきを探してナポリタン食って高速乗って帰宅。

佐渡は、1000年以上コースの歴史あり、北前船系の歴史あり、金山系の歴史あり、伝統芸能あり、急斜面の集落あり、近年の人口減あり、温泉あり、舗装路あり、林道あり、海あり、山あり、田畑あり、露骨に観光地然としていない見どころたくさんあり、どこに行っても鳥の気配あり、無料のキャンプ場たくさんあり、めしうまい、こんなにすばらしいのに人少なくて移動しやすい、ほかにもとにかくいろいろあって、散髪屋は最高という、私が楽しむのに理想的な場所だった。
これでフェリーがもっと安ければのう。

ところで今週のタイムスクープハンターで明治期にまげを落とすための散髪を推進するために山梨と大阪で散髪屋の税が免除されたとかなんとか、なかなか興味深い話でしたよ。

Category : 編集後記ゲ
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